国内で承認されているED治療薬の主な有効成分は、シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの3つです。この記事では3成分に順位をつけません。共通する仕組みと、添付文書に表れる食事との関係などの違いを整理しています。医師や薬剤師に相談するときの比較材料としてお使いください。
3成分に共通する仕組み
3成分はいずれもPDE5阻害薬に分類されます。陰茎の血管を広げる仕組みには、PDE5という酵素が関わっています。この酵素の働きを抑え、性的刺激があったときに勃起を助けるのがPDE5阻害薬です。性的刺激がなくても自動的に勃起させる薬ではなく、性欲を高める作用もありません。この前提を知っておくと、薬の働きを実際の場面に照らして理解しやすくなります。
添付文書に見る食事との関係
成分ごとの違いが表れやすいのは、食事との関係です。次の表は国内承認薬の添付文書をもとに整理したものです。優劣ではなく、相談のときの論点として見てください。
| 成分 | 添付文書に見る食事との関係 |
|---|---|
| シルデナフィル | 食事によって吸収が影響を受ける |
| バルデナフィル | 食事の条件によって影響の程度が異なる |
| タダラフィル | 食事の有無にかかわらず投与できる。投与後36時間まで有効性が認められたとの記載がある |
出典はPMDAに掲載されたシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの添付文書情報です。バルデナフィルは食事の条件によって影響が変わるため、「食事の影響を受けない」「すぐに効く」とは言い切れません。タダラフィルの「36時間」は、臨床試験で有効性が認められた範囲を示す記載です。その間ずっと勃起が続くという意味ではありません。食事や飲酒との関係はED薬と食事・飲酒の関係で詳しく扱っています。成分ごとの詳細はシルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルの各解説をご覧ください。
処方薬と市販薬の入手手順
ED治療薬は、医療機関で医師の診察を受けて処方されるのが基本です。医師は持病や服用中の薬を踏まえ、使えるかどうかや、どの成分・用量が適しているかを判断します。
タダラフィルについては、エスエス製薬の市販薬「シアリス」が2026年8月31日に全国発売されました。要指導医薬品に区分されているため、購入するときは薬剤師の確認を受ける必要があります。処方薬とは入手するときに関わる専門職や手順が異なります。市販薬の規格や対象となる人は、製品の案内と薬剤師の説明で確認してください。
使用前に確認したいこと
3成分はいずれも、硝酸剤・NO供与剤(狭心症の治療などに使うニトログリセリンなど)との併用が禁忌です。肺高血圧症の治療などに使うリオシグアトとの併用も禁忌とされています。血圧が下がりすぎるおそれがあるためです。ここに挙げたのは代表例で、成分ごとの禁忌や併用注意は各製品の添付文書に記載されています。心臓や血管の状態によっては性行為そのものが体の負担になるため、心血管系の状態の確認も必要です。持病と、服用中の薬・サプリメントはすべて医師・薬剤師に伝えてください。
副作用としては頭痛やほてりなどが知られています。次のようなときは、速やかに医療機関を受診してください。
- 急に見えにくくなる、聞こえにくくなるといった視覚や聴覚の異常があるとき
- 胸の痛みがあるとき
- 勃起が4時間以上続くとき
海外製品を個人輸入した医薬品は、国内承認薬とは品質・有効性・安全性の確認のされ方が異なり、医薬品副作用被害救済制度の対象にもなりません。自分で使う目的でも成分や数量に制限があり、他人への販売や譲渡はできません(厚生労働省)。制度の詳細は個人輸入のルールで解説しています。
個人輸入代行の事業者が公開している調達や成分鑑定の説明は、対象範囲が事業者ごとに異なります。各社の説明はアイドラッグストアーの品質管理ガイドとオオサカ堂の品質管理ガイドで個別に整理しています。ただし、こうした情報は国内承認の代わりにはならず、その薬が自分に合うかどうかの判断にも代わるものではありません。
よくある質問
相談する前に、使いたい成分を決めておく必要はありますか?
決めておく必要はありません。持病や服用中の薬、食事の時間帯などによって適した成分は変わります。この記事の比較を材料に、迷っている点をそのまま医師や薬剤師に伝えるほうが、納得できる判断につながりやすくなります。
各成分の添付文書は、どこで確認できますか?
医療用医薬品の添付文書は、PMDA(医薬品医療機器総合機構)のウェブサイトで製品名や成分名から検索できます。この記事の出典リンクからも各成分の情報を開けます。市販薬は、製品に同封されている説明文書で確認してください。
まとめ
シルデナフィル、バルデナフィル、タダラフィルは同じPDE5阻害薬です。違いは主に、食事との関係や、有効性が認められた時間の記載に表れます。この比較は自分で薬を決めるためのものではなく、相談の材料として使うことを目的にしています。受診や薬局で相談する前に、次のことをメモしておくと話が進みやすくなります。持病や通院歴、使っている薬、食事の時間帯などの生活の様子、以前に使ったことがあればそのときの様子です。






